【パピヨン】フランス宮廷でも愛された愛玩犬 立ち耳と被毛がはばたくチョウのよう 

 人気犬種の特徴や性格、しつけ、お手入れ、飼い方、健康上の注意などを解説する犬種図鑑。今回ははばたくチョウのような立ち耳と、美しい被毛で、中世から欧州で愛された小型犬「パピヨン」です。(出典:学研プラス「まるごとわかる犬種大図鑑」、若山正之獣医師監修)

比較的丈夫で飼いやすい小型犬パピヨン

被毛はもつれにくく手入れは容易、ムダ吠え防止のしつけは必要

 フランス語で蝶を意味するパピヨン。大きな立ち耳が羽ばたく蝶のように見えることからつけられた名前です。一方、垂れ耳タイプはファレン(蛾)と呼ばれています。

垂れ耳のパピヨンは「ファレン(蛾)」と呼ばれる

 絹糸のような被毛や優美な立ち姿から、古くから愛玩犬として親しまれてきた犬です。ほっそりとした体つきですが、丈夫で飼いやすく、初心者にも最適。ただし音に敏感なので、ちょっとした物音に対して甲高い声で吠え続けます。集合住宅で飼う場合は、ムダ吠えを防ぐしつけが欠かせません。

 フワフワとした被毛は、もつれにくく、お手入れは簡単。週に2回程度のブラッシングで十分です。トリミングも必要なく、シャンプーは月に2〜3回くらいでOK。運動量は少なめでも構いませんが、活発な性格なので、毎日30分くらいは散歩をしましょう。

 アジリティやフライボールなどのドッグスポーツもお勧めです。ただし、四肢が弱いため、階段や高い段差からの飛び降りには注意が必要です。

小型犬パピヨン

パピヨンの成犬の大きさ

  • 原産国 フランス・ベルギー
  • 体高 20~28cm
  • 体重 4~4.5kg

パピヨンの5段階評価

  • 飼いやすさ ★★
  • 必要な運動量 ★★
  • トレーニングのしやすさ ★★
  • 寒さに強い ★★
  • 状況判断力 ★★★★

パピヨンの子犬

【健康上の注意】パピヨンは、遺伝性疾患は少ないが、膝関節の脱臼に注意

 小型犬の中でもっとも環境適応能力が高い犬種とされています。遺伝性の疾患は少なく、ほかの犬種に高い確率で見られる股関節形成不全や、進行性網膜萎縮はあまり発症しません。しかし膝関節の脱臼は例外。先天的な要因や、ケガが原因で発症することがあります。華奢な体つきをしていますが、運動能力が高く、ジャンプや遊びが好きなので、脱臼を防ぐために、犬の行動に注意しましょう。

◇パピヨンがかかりやすい病気

膝蓋骨脱臼/眼瞼内反症

小型犬パピヨン

パピヨンは中世ヨーロッパで普及、マリー・アントワネットも

 スペインの小型スパニエルを祖先として、1500年頃に誕生したという説が有力。イタリアのボローニャ周辺で盛んに繁殖され各国に広がりました。フランス宮廷では絶大な人気を誇り、中世の絵画に多く描かれています。マリー・アントワネットの飼い犬としても有名。

パピヨンは気が強いので甘やかさず、しっかりしつける

 利口で活発なので、訓練には意欲的に取り組みます。一方で、気が強く、プライドが高い傾向があるので、甘やかさずに接する必要があります。ただし、厳し過ぎるしつけは厳禁。失敗を叱るよりも、できたことをしっかりほめて、長所を伸ばすしつけをしましょう。

 犬種図鑑一覧へ

「まるごとわかる犬種大図鑑」
監修:若山正之/写真:藤原尚太郎
発行:学研プラス
判型:A5、242ページ
定価:1500円+税
監修:若山正之
獣医師。若山動物病院(千葉県佐倉市)院長。犬や猫のヘルススパンを延ばす的確な診断とアドバイスに定評があり、寝たきりや認知症になった犬の介護などに、独自のノウハウを持つ。

あわせて読みたい

 犬を飼い始めるとき、どうやって探しますか――。最近でこそペットショップで買う人が多いですが、それ以外にも、犬と出会う方法はあります。譲渡会などを通じて、行政や保護団体などに一時保護された保護犬を引き取って飼えば、処分される不幸な犬を救うことにもなります。欧米では、買うより譲渡を受ける方が一般的。飼い始めれば、どの子もかわいい家族です。
 ペットショップで数十万円もする犬を買う前に、まず保護犬を飼うことを考えてみませんか。関係記事をご紹介します。