【ダックスフンド】サイズと被毛で9分類される犬 胴長短足はカワイイけど、背骨に負担も

 人気犬種の特徴や性格、しつけ、お手入れ、飼い方、健康上の注意などを解説する犬種図鑑。今回は、胴長短足のユニークな体形と犬らしい顔つき、陽気さで大人気の「ダックスフンド」です。(出典:学研プラス「まるごとわかる犬種大図鑑」、若山正之獣医師監修)

胴長短足の体形で人気の犬、ダックスフンド

ダックスフンドは陽気で活発、運動と食事管理で筋力維持を

 ダックスフンドは登録犬種としては1種類ですが、細かく分類すると、体のサイズで3種類、被毛のタイプで3種類の、計9タイプに分けられます。

 サイズは大きいタイプから「スタンダード」「ミニチュア」「カニーヘン」の3つ。一般的に犬のサイズは体高を測りますが、この犬の計測基準は胸囲。これは、かつて獲物を穴に追いつめる猟をしていたことから、胸囲を測ることで、入ることのできる穴の大きさを判断していた頃の名残です。大きい穴に入るタイプはアナグマ猟に、小さい穴に入るタイプはウサギやテンなどの小動物を狩るときに使われていました。

毛並の違うダックスフンド。左からワイアーヘアード、ロングヘアード、スムースヘアード

 被毛のタイプは長毛の「ロング」、短毛の「スムース」、針金状の「ワイアー」に分類されます。被毛の違いで性格が若干異なり、ロングは温厚で甘えん坊、スムースは明るくて人なつこい性格。そしてテリアの血を受け継ぐワイアーは、好奇心旺盛で気が強い傾向があります。3タイプとも陽気で活発なので、家族の一員として、愛される家庭犬になってくれるでしょう。

 この犬を飼おうとする人の多くは、胴長短足のとぼけた見た目に魅力を感じると思われますが、実際に飼うときは、この体型を原因としたトラブルに十分注意しなければいけません。もっとも多く起こる問題が、背骨のトラブルです。

 この犬は、運動が足りないと胴回りの筋肉が減少して、長い背骨を支えられなくなり、老犬期を迎える前に歩けなくなることがあります。また、肥満体型になってしまうと背骨に負担がかかり、椎つい間板(ついかんばん)ヘルニアにかかりやすい傾向があります。

 初心者でも問題なく飼える犬ですが、適度な運動と食事管理を徹底する意識を持っておきましょう。

人を見上げるダックスフンド

ダックスフンドの身体的特徴 体長が体高の2倍ある胴長

【被毛】

 長毛のロングヘアードはウェーブがかかった絹糸状の被毛。スムースヘアードは、なめらかで光沢がある短毛。一方、ワイアーヘアードは剛毛で、眉とアゴに飾り毛があることが特長です。

【体型】

 体長が体高の約2倍もある、全犬種中でもっとも胴の長い犬です。前足がうしろ足よりやや短く、横から見ると、おしりに向けてなだらかに傾斜しています。胴体、四肢にもに筋肉が豊富です。

【頭部】

 くさび形で、おだやかなアーチを描いています。マズルは長く、少し大きめの鼻。アーモンド形の目が少し斜めに配置されています。耳は幅が広い垂れ耳で首の辺りまで垂れ下がっています。

【しっぽ】

 背骨の延長線上からまっすぐ伸び、先細りしています。ロングヘアードは、しっぽにも豊富な被毛が生え、三角形の旗のように見えます。ワイアーヘアードは縄のような形状です。

ダックスフンドの子犬

大きさには3タイプあるダックスフンド

  • 原産国 ドイツ
  • スタンダード(胸囲/体重)
    35cm以上/9~12kg
  • ミニチュア
    35cm前後/4.5~4.8kg
  • カニーヘン
    30cm以下/3.2~3.5kg

ダックスフンドの5段階評価

  • 飼いやすさ ★★★★
  • 必要な運動量 ★★★★
  • トレーニングのしやすさ ★★★
  • 寒さに強い ★★
  • 状況判断力 ★★★

仲良く並んだダックスフンド

【健康上の注意】ダックスフンドは背骨に負担、3歳でも椎間板ヘルニア

 眼球が全体に縮んでいく小眼球症が発症し、白内障や網膜剝離を併発するなど目の疾患が起こりやすい傾向があります。垂れ耳なので、耳の疾患にも注意しましょう。また、この犬種でとくに注意すべきことは、胴長短足の体型によって発症しやすい椎間板ヘルニアです。3〜6歳時に発生しやすく、しびれ、うしろ足の麻痺などを引き起こします。また、糖尿病や尿路結石なども見られます。

◇ダックスフンドがかかりやすい病気

口蓋裂・口唇裂/椎間板ヘルニア/睾丸停滞(オス)/眼瞼外反症/緑内障/進行性網膜萎縮/腎形成不全/てんかん/乾性角結膜炎/小眼球症/白内障/骨化石症/糖尿病(真性)/膀胱結石

胴長短足で独特の体形をした犬、ダックスフンド

穏やかでしつけやすいロングヘアのダックスフンド

 被毛のタイプで若干性格が異なりますが、総じて利口でもの覚えのよい犬種です。その中でも、ロングヘアードは穏やかな気質なので、初心者でもしつけがしやすい傾向があります。ただし、やんちゃで気が強い一面もあるので、甘やかさずにしつけるとよいでしょう。

ダックスフンドは元猟犬で、古代エジプト時代から存在?

 古代エジプト時代やローマ時代にはすでに存在していたとされていますが、正確な起源は不明です。もともとはアナグマやキツネ猟に使われていましたが、ウサギやテンなどの小動物の狩りでも使えるように小型化していき、現在のようなサイズの違いが発生することになりました。

小型犬ダックスフンド

ダックスフンドのこぼれ話

◇肥満防止、ダイエットによい栄養素

 ダックスフンドは太り過ぎると背骨に負担がかかるので、肥満には十分注意しなければいけません。そのため、ダイエットに役立つ栄養素を知っておくとよいでしょう。まずはビタミンB1とB2。これらは糖質や脂質の代謝を促す役割があります。
 B1は玄米やとうもろこしに、B2は豚や牛のレバーに多く含まれています。また、食物繊維の摂取も重要。満腹感を与えるので食べ過ぎを防げます。ゴボウやキャベツに多く含まれるので、積極的に与えて体重をコントロールしてあげましょう。

◇ワイアーのダックスフンドは眉毛が濃い

 ダックスフンドは3タイプの被毛に分けられますが、かつては短毛のスムースのみでした。その頃から猟に使われていましたが、被毛が短いので、猟の最中にイバラやトゲで傷つくことがありました。そのため、別の犬種と交配させ、被毛の長いロングやワイアーが生まれることになったのです。ワイアーの作出にはダンディ・ディンモント・テリアが関わっており、この血が入ったことで、眉毛とヒゲが濃いワイアーが生まれました。

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「まるごとわかる犬種大図鑑」
監修:若山正之/写真:藤原尚太郎
発行:学研プラス
判型:A5、242ページ
定価:1500円+税
監修:若山正之
獣医師。若山動物病院(千葉県佐倉市)院長。犬や猫のヘルススパンを延ばす的確な診断とアドバイスに定評があり、寝たきりや認知症になった犬の介護などに、独自のノウハウを持つ。

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