【チワワ】最も小さい公認犬種、被毛の長短で2タイプ 明るく快活で人気 寒さには特に弱い

 人気犬種の特徴や性格、しつけ、お手入れ、飼い方、健康上の注意などを解説する犬種図鑑。今回は、公認犬種の中で最も小さく、快活でかわいい、世界的に人気の「チワワ」です。(出典:学研プラス「まるごとわかる犬種大図鑑」、若山正之獣医師監修)

小さな身体に大きな目が特徴の犬、チワワ
小さな身体に大きな目が特徴の犬、チワワ

小さくてマイペース、集合住宅でも飼いやすい

 現在公認されている犬種の中で最小の犬。明るく快活な性格に加え、飼育の手間も少ないので、日本やアメリカを中心に世界中で大人気です。

 チワワは被毛により、2つの種類に分けられます。ひとつめは「ロングコート」。しっぽや耳の周りに豊富な飾り毛が生え、ゴージャスな印象を与えます。もう一方は「スムースコート」。光沢がある、短い被毛が密生しています。この2タイプには、性格の違いは見られません。

 最小犬種であることから、日本の住環境でも飼いやすい犬ですが、飼育するときには注意すべき点が2つあります。ひとつめは、温度管理。とくに寒さに大変弱いので、冬の散歩は、服を着せたほうがよいでしょう。また、暑さに対する耐性も低いので、屋外で飼うことは考えないほうが無難です。

白いチワワ
白いチワワ

 2つめは、ケガに注意すること。骨が細いので、ちょっとした段差から飛びおりるだけで骨折してしまうことがあります。また、チワワの頭蓋骨は、成長しても頭頂部が融合しない場合があります。そのため頭をぶつけないように、散歩のときには低い場所をくぐらないように目を光らせておきましょう。

 性格は活発で遊び好きな反面、繊細で用心深い部分も同居している犬です。見知らぬ人には気を許しませんが、飼い主や家族には愛情豊かに接します。一方、独立心が強くてマイペースな犬なので、成犬になれば、ひとりで留守番もできる犬です。子犬の頃にムダ吠えをやめる訓練をすれば、集合住宅でも問題なく飼えるでしょう。

 ただし、前述の通り骨が弱い犬なので、留守番中の事故を避けるため、段差をなくしたり、階段に登れないように柵を作ったりする工夫は欠かせません。

うるうるした目のチワワ
うるうるした目のチワワ

チワワの成犬の大きさ

  • 原産国 メキシコ
  • 体高 15~23cm
  • 体重 0.5~3kg

チワワの5段階評価

  • 飼いやすさ ★★★
  • 必要な運動量 ★
  • トレーニングのしやすさ ★★
  • 寒さに強い ★★
  • 状況判断力 ★★

チワワの子犬
チワワの子犬

チワワの身体的特徴 美しい被毛とぱっちり目

【被毛】

 光沢のあるやわらかな短毛が特徴のスムースコートチワワと、絹糸状の長毛に覆われたロングコートチワワの2種類に分けられます。毛色は、ホワイト、チョコレートなどバラエティ豊か。

【体型】

 現在公認されている犬種の中でもっとも小さい犬です。コンパクトなボディですが、筋肉がほどよくついた引き締まった体格。胸や四肢が発達し、とくにうしろ足は、がっしりと締まっています。

【頭部】

 リンゴのように丸みを帯びた額が特徴。マズルは短く小さめで、目はぱっちりとしています。耳は大きな立ち耳。ふだんは少し曲がっていますが、警戒しているときは直立します。

【しっぽ】

 ほどよい長さで、上向きに少しカーブしています。短毛のスムースタイプは短い被毛ですが、ロングコートタイプのしっぽには、飾り毛が豊富に生え、まるで羽飾りのように見えます。

大きな目が特徴の小型犬チワワ
大きな目が特徴の小型犬チワワ

【健康上の注意】チワワは頭への衝撃や骨折に注意

 この犬種で注意すべきところは、頭頂骨の合わせ目が開いている点。そのため、頭に硬いものをぶつけたり、頭をたたいたりすることはNGです。また、骨が細いため、高い所から飛び降りただけで骨折してしまうことがあります。さらに、小型犬によく見られる、低血糖症にも注意しましょう。この疾患の原因は、強いストレスによるものといわれていますが、詳細は不明です。

◇チワワのかかりやすい病気

水頭症/てんかんなどの脳疾患/股関節・膝関節の脱臼/口蓋裂/気管虚脱/乾性結膜炎/緑内障/角膜浮腫/低血糖症/A型血友病

大きな目のチワワ
大きな目のチワワ

チワワは甘やかすとわがままに

 少し自己主張が強い一面があります。そのため、甘やかすとわがままになったり、反抗的になったりする恐れがあります。子犬の頃からしっかりと訓練して、上下関係を理解させましょう。一方、かなりマイペースなので、強く叱ることは避け、気長に取り組む姿勢が求められます。

チワワのルーツはメキシコ

 メキシコに古くからいた「テチチ」という犬を祖先とする説が有力です。その後、この地を支配したアステカ族が、テチチとチャイニーズ・クレステッド・ドッグを交配させました。その犬が1850年にアメリカに渡り、小型化が進められた結果、現在の姿になったと言われています。

ふさふさした毛並が特徴の小型犬チワワ
ふさふさした毛並が特徴の小型犬チワワ

チワワのこぼれ話

◇アステカ族の儀式でチワワがいけにえに

 原産国であるメキシコには、チワワにまつわる伝承が残っています。14世紀後半のメキシコは、アステカ族に支配されていましたが、彼らが築いた文明には多くの儀式がありました。その儀式にチワワは大きく関わっており、ときに神聖な犬として、ときに死者へのいけにえとして捧げられていたといわれています。いけにえになるチワワはレッドの被毛を持つ個体でした。赤い毛のチワワの遺体を燃やした灰に死者の罪が乗り移り、死者は神の怒りから逃れられると考えられていました。

◇アメリカにはチワワの野良犬が多い

 メキシコの食べ物タコスは、アメリカでもポピュラーな食べ物です。アメリカ最大のタコスチェーン店、「タコベル」では、1990年代の終わりに、同じメキシコ原産のチワワをCMキャラクターに抜擢しました。スムースコートチワワがメキシコ訛りの英語を話すCMは当時の社会現象に。チワワグッズが飛ぶように売れ、一般家庭でチワワが広く飼われるようになりました。しかし、ブームが過ぎると捨てられるチワワが増加。今度は野良チワワが社会問題になってしまいました。

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「まるごとわかる犬種大図鑑」
監修:若山正之/写真:藤原尚太郎
発行:学研プラス
判型:A5、242ページ
定価:1500円+税
監修:若山正之
獣医師。若山動物病院(千葉県佐倉市)院長。犬や猫のヘルススパンを延ばす的確な診断とアドバイスに定評があり、寝たきりや認知症になった犬の介護などに、独自のノウハウを持つ。

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