【プードル】サイズで4分類、人気は一番小さなトイ 賢い犬で、多彩なカットでおしゃれも

 人気犬種の特徴や性格、しつけ、お手入れ、飼い方、健康上の注意などを解説する犬種図鑑。今回は、家庭犬で人気1位を誇る「プードル」です。スタンダードからトイまで、サイズ別に4種類あります。(出典:学研プラス「まるごとわかる犬種大図鑑」、若山正之獣医師監修)

かわいくて賢い犬、プードル
かわいくて賢い犬、プードル

トイプードルが全体の9割、覚えの早いおりこうさん

 JKCの登録頭数ランキングで2008年以降ずっと1位を守り続けている、愛玩犬の定番とも言える犬です。プードルはサイズによって4種類に分けられていますが、もっとも小さなトイタイプが1番人気。登録頭数のうち、およそ9割を占めています。

 現在は愛玩犬のイメージが強いプードルですが、祖先は狩りで水鳥を回収する犬。当時のプードルは、泳ぎやすくするため、被毛を大胆にカットしていました。

 しかし、全部の毛を刈ってしまうと体温低下を招くので、胸部や関節部の毛を残したスタイルで狩りを行っていました。そのユニークな姿が貴族たちの目に止まり、やがて彼らの愛玩犬として飼われるように。その後、貴族たちが見た目の美しさを競わせるようになり、現在のショーで見られるような多彩なカットが生まれることになりました。

小さなトイプードルだけでなく、プードルには大きさ別に4種類ある
小さなトイプードルだけでなく、プードルには大きさ別に4種類ある

 実際に家庭で飼う場合は、被毛の美しさを保つため、毎日のお手入れと定期的なトリミングが必要です。カットスタイルは100種類以上あるので、季節や気分にあわせて、おしゃれを楽しみましょう。被毛のお手入れには手間がかかりますが、プードルは抜け毛が少ない特長があります。そのため、アレルギー体質の人でも比較的飼いやすい犬と言われています。

 性格や性質面で特筆すべき点は、全犬種の中でもトップクラスと言える賢さ。4つのタイプごとに性格が若干異なりますが、どのタイプも利口でもの覚えがよく、飼い主の言うことをよく聞きます。訓練性能が高いので、ドッグスポーツに挑戦することもお勧め。感覚が鋭く、興奮しやすい一面もありますが、それを除けば、初心者でも安心して飼える家庭犬と言えます。 

ぬいぐるみのようなプードルの子犬
ぬいぐるみのようなプードルの子犬

プードルは成犬の大きさによって4タイプ

  • 原産国 フランス
  • スタンダード(体高/体重)
    43~62cm/23~25kg
  • ミディアム
    38~45cm/15~19kg
  • ミニチュア
    28~38cm/6.5~7.5kg
  • トイ
    28cm以下/3kg前後

プードルの5段階評価

  • 飼いやすさ ★★★★
  • 必要な運動量 ★★★
  • トレーニングのしやすさ ★★★★
  • 寒さに強い ★★
  • 状況判断力 ★★★★

おしゃれさんのプードル
おしゃれさんのプードル

プードルの身体的特徴 カールしたモコモコの被毛

【被毛】

 シングルコートで硬めの被毛がほどよくカールしています。水鳥の回収犬だったことから、水に濡れても乾きやすい毛質です。毛色は単色で、ホワイト、クリームなどバラエティ豊か。

【頭部】

 頭の形はほどよく丸みを帯びています。目はくりっとしたアーモンド形。マズルは長くまっすぐに伸びています。長く大きい耳は首に向かって垂れ、豊富な被毛で覆われています。

【体型】

 体の大きさで、スタンダード、ミディアム、ミニチュア、トイの4タイプに分けられます。どのタイプも均整のとれたスタイルで、四肢は細くてまっすぐに伸びています。

【しっぽ】

 根本が太く、しっかりとしたしっぽ。つけ根の位置が高く直立しています。先端部分に毛を残し、根本部分だけを刈り込む、「ボンボン」のようなかわいらしいトリミングをすることがあります。 

きれいにカットされたプードル
きれいにカットされたプードル

【健康上の注意】プードルは繁殖が行き過ぎ、目などに遺伝的欠陥も

 デリケートな犬種なので、皮膚病、アレルギー、目や耳の病気などにかかりやすいといえます。とくにミニチュアは軟骨形成不全によって、脚が短くなりがちなので注意。また、世界的に繁殖が行われた結果、ミニチュアやトイは、まつげの重生(まつげが眼球に向かって生える状態)、涙管閉塞(涙を出す管が閉じて、過剰に涙が流れる流涙症)など、さまざまな遺伝的欠陥を持つ傾向があります。

豊かな被毛のプードル
豊かな被毛のプードル

◇プードルがかかりやすい病気

低血糖症/睾丸停滞(オス)/気管虚脱/過敏性皮膚炎/てんかん/黒内障性白痴/白内障/昼盲症/フォン・ビレブラント病/膝蓋骨の脱臼/眼瞼内反症/クッシング症候群/軟骨形成不全/がん

ルーツは水猟犬だったプードル

 古くからヨーロッパ各地にいた犬ですが、正確な起源は不明。一説では、ドイツの水猟犬がフランスに持ち込まれ、そこで改良されて現在の形になったと考えられています。貴族の愛玩犬として人気が出たことで小型化が進められた結果、18世紀頃にトイタイプが誕生しました。

大変賢く、しつけの覚えが早いプードル

 4つのタイプごとに性格が異なるので一概には言えませんが、総じて大変賢い犬種です。訓練に対して意欲的なので、基本的なしつけはすぐに覚えます。ただし、少し賢すぎるぶん、飼い主が一貫した指示を出せなかったり、甘やかしたりすると、反抗的になる恐れがあります。

きれいな白いプードル
きれいな白いプードル

プードルのこぼれ話

◇警察犬として働くトイプードル

 日本警察犬協会が警察犬として指定する犬種は、ドーベルマンをはじめとする7犬種。一方、一般の飼い犬が「非常勤警察犬」として登録される制度があり、そこでは7犬種以外の犬も試験に合格すれば警察犬になれます。愛玩犬のイメージが強いプードルですが、2011年に2匹のトイプードルが鳥取県警の試験に合格しました。狭い場所にも入れることから、大型犬にはできない仕事を期待されています。また、愛くるしい姿を活かして警察の行事にも引っ張りだこです。 

◇映画賞を受賞した盲目のプードル

 カンヌ国際映画祭の最高賞を「パルム・ドール」といいますが、この名に由来して「もっとも優秀な演技を披露した犬」に贈られる「パルム・ドッグ」という賞があります。非公式ながら注目度の高いこの賞を2013年に受賞した犬は、プードルでした。出演作の『恋するリベラーチェ』は世界的ピアニストの晩年を描いた作品。彼に寄り添う盲目の犬を熱演しました。実際に視力に問題がある犬だったということもありますが、プードルの賢さが、よい演技に結びついたのかもしれません。

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「まるごとわかる犬種大図鑑」
監修:若山正之/写真:藤原尚太郎
発行:学研プラス
判型:A5、242ページ
定価:1500円+税
監修:若山正之
獣医師。若山動物病院(千葉県佐倉市)院長。犬や猫のヘルススパンを延ばす的確な診断とアドバイスに定評があり、寝たきりや認知症になった犬の介護などに、独自のノウハウを持つ。

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