イヌ・ネコの健康医療相談

相談・獣医師回答・コメント

そうゆうこ(質問主)


猫アイコン 猫 1歳 メス アメリカンショートヘア

体重:2.6kg

飼育歴:0年2ヶ月

居住地:茨城県那珂市

飼育環境:室内

7月23日に避妊手術をしました。全て溶ける糸で行われました。術後5日ほど経ち、やたらと傷口を舐めるようになり再受診し追加の抗生剤を頂き、術後服を着て様子見していました。その後10日近く経ち傷口も良くなったかに見えたのですが、数日後ほんのちょこっとの傷口から浸出液がで始めまた病院へ、溶ける糸に対するアレルギー体質で反応を起こしているのかもしれないという事で、抗生剤と化膿止めの注射をし両方の飲み薬を2週間いただき様子を見ることになり、観察をしていると、3日ほどで傷口も乾いて綺麗になったかと思うと、また傷口の辺りがピンク色を帯びてしこり始めると、また浸出液が出ての繰り返しです。
先生は、糸が完全に身体に吸収されれば大丈夫だろうと言うのですが、こういう症状の子は稀だそうです。
セカンドオピニオンも検討しようかと思うのですが、いかがでしょうか。

日時2019-09-01 18:02:55

専門の獣医師からの回答

避妊手術後の傷の治癒が悪いとのこと心配ですね。
すべて溶ける糸とありますが,正確には吸収糸と呼ばれる糸が使用されます。
吸収糸は組織内で加水分解されて吸収されることで最終的に消失します。

吸収糸であれ,非吸収糸であれ,体内では異物であるため,縫合糸周囲の組織では少なからず縫合糸に反応して炎症が起こります。
最も炎症を起こしやすい縫合糸は絹糸で,これは非吸収性であるために,炎症が長期化し,体質によって縫合糸反応性肉芽を形成します。
最近は動物でもアレルギーが増えていることから,絹糸誘発性の縫合糸反応性肉芽が問題となり,最近は吸収糸を使用する病院が増えています。

現在国内で使用される吸収糸は狂牛病の発生以降はすべて合成吸収糸となっており,
臨床的に問題となるようなアレルギーを含む組織の炎症反応は少なくなっています。
ただ,絹糸以外の非吸収糸(ナイロン糸)に比較すると組織反応は強く,
体質によっては縫合糸反応性肉芽を含めた今回のようなトラブルが稀に起こります。

治療に関しては,感染予防に加えてアレルギーや炎症反応を抑えるのにステロイドの投与が非常に有効ですが,
縫合糸の吸収が遅れると共に切開部の癒合が遅延するためヘルニアの発生率が高くなります。
非吸収糸である絹糸による縫合糸反応性肉芽の場合は,再手術により縫合糸を取り除く必要がありますが,今回は吸収糸が使用されているので,
主治医の先生の説明同様,縫合糸が消失すれば改善すると思われます。
なお,皮膚の縫合糸は,抜糸できますが,腹壁や皮下の縫合糸が完全に吸収されるのには縫合糸の種類にもよりますが,4カ月から長いものでは7カ月を要します。
もし,病状の悪化や長期化するようであれば,再手術により残存している縫合糸を取り除いた方が治癒が早い場合もあります。
主治医の先生とご相談してみて下さい。

日時2019-09-05 17:32:00

ネコのため、日頃から動物病院で受診することを習慣にしませんか?動物病院の写真を投稿して、プロジェクトに参加しよう!

 
これまでに3,000件以上もの相談が寄せられています。
みなさんの心配事に似ている過去の事例がないか、症状、病気、体の部位、薬、犬種・猫種など気になるキーワードで、相談・回答を検索してみましょう。

相談を検索する

種別: