愛猫の猫カビ（皮膚糸状菌症）がひどく、家族にもうつりました

猫の皮膚糸状菌症が治らず、同居猫やご家族にも感染が広がっているとのこと。猫の皮膚糸状菌症が1箇所に限局せず体の他の部位にも広がる場合の対策についてご説明致します。
１） 原因のカビは直接目で見ることが出来ません。残念ながら皮膚病になっている部分以外の正常に見える毛にもカビの胞子が付いていると思って下さい。猫の体の表面から皮膚糸状菌を効果的に取り除くには、全身の毛をバリカンなどで短く刈ると良いでしょう。こうすると、薬浴や薬の外用も確実かつ容易になり、皮膚の状態も観察しやすくなります。
２） 週に1回シャンプーしておられるとのこと。少しでもカビに効果のあるシャンプーを選んでおられますでしょうか。例えば、ミコナゾールとクロトリマゾールという抗菌成分含有の「マラセブシャンプー」などが使いやすいでしょう。動物病院で購入し、シャンプーの仕方や注意事項を確認してからご使用下さい。出来れば薬用シャンプーの泡をつけたまま5分以上たってからすすいで下さい。バリカンで全身の毛が短く刈られていれば、二人掛かりにはなりますが、猫に首輪とリードをつけてご自宅での薬浴も可能と思います。
３） すでに内服中と推察致しますが、内服薬としては一般的にイトラコナゾールかテルビナフィンを使用します。
４） 室内などの環境から皮膚糸状菌を効果的に無くする手軽な方法はありません。猫の毛やフケを出来るだけ掃除機やコロコロクリーナーで取り除く。足ふきマットや猫の寝床の敷物、および猫のシャンプーに使ったタオルなどは、100倍に薄めた塩素系漂白剤に漬けるのが効果的です。ただし、塩素による色落ちの恐れがありますので注意下さい。