旅館を再生、秋葉原の保護猫カフェ 神田川でおぼれていた猫も

保護猫カフェ「ちよだニャンとなるCafe」。入室する際は手を洗い、靴下を履き替える=千代田区外神田4丁目
保護猫カフェ「ちよだニャンとなるCafe」。入室する際は手を洗い、靴下を履き替える=千代田区外神田4丁目

 行き場所のなくなったネコと新たな飼い主との出会いの場を提供する「保護猫カフェ」が東京・秋葉原にある。オープンから半年余。保護活動に取り組む千代田区とも連携し、引き取り手がないネコの殺処分「0」に貢献してきた。

 JR秋葉原駅から徒歩10分。千代田区外神田4丁目に「ちよだニャンとなるCafe(カフェ)」はある。旅館だった建物を改修したカフェ内は、階段や梁(はり)など自然な動きを引き出す仕掛けがたくさんあり、ネコが走ったり、眠ったりする姿を見ることができる。

 通りがかりに立ち寄ったという都内在住の男性(25)は「ネコのもふもふした感じに癒やされます」。米オハイオ州から来た20代のカップルは「とてもキュート。米国にはこうした場はなく、私たちはラッキー」とうれしそうだった。

旅館を再生した、保護猫カフェ「ちよだニャンとなるCafe」=千代田区外神田4丁目
旅館を再生した、保護猫カフェ「ちよだニャンとなるCafe」=千代田区外神田4丁目

 カフェを運営するのは、千代田区でネコの保護活動に取り組む一般財団法人「ちよだニャンとなる会」。区が2000年度、保護されたネコの去勢・不妊手術費に助成する制度を始めたのを受け、翌01年度に活動を開始した。

 当初は、保護したネコに手術を受けさせた後、捕獲した場所に戻したり、譲渡会を開いて飼い主を探したりしてきた。だが、交通量が多い都心では、地域に戻したネコが車にひかれるケースが相次いだため、その後、すべての保護ネコの面倒をみることになり、常時飼い主を探せる場も設けようと昨年10月22日にカフェをオープンした。

 現在、カフェには6匹のネコがいる。人なつっこいメスの「はな」は昨夏、生後数カ月の時に区内で保護された。腸閉塞(へいそく)で、その日の夜に手術。一命を取り留めた。別のメスの「すもも」は昨年6月、神田川でおぼれているところを網で助けられた。けがもしており、1カ月ほど動物病院に入院したという。同会の香取章子・代表理事(64)は「愛敬ある動きを見ることでマッチングが増えればうれしい。飼えなくてもネコ好きな人はぜひ来てください」と話す。

 環境省によると、2017年度に殺処分されたネコは約3万5千匹にのぼる。千代田区は区や同会の活動もあって01年度に72匹だった殺処分数が年々減り、11年度から「0」が続く。

 カフェは平日午後2~8時、土日祝午前11~午後6時。月、火は休み。30分1500円(土日祝2千円)で、ネコのいる空間で過ごし、一緒に遊ぶこともできる。「カフェ」の名が付くが、飲食不可。問い合わせは同会(070・1467・2828)へ。
(山下知子)

朝日新聞
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