健康管理できるネコ用トイレ、シャープが開発 IoTを活用 

シャープが開発したネコ用トイレ=11日、東京都港区
シャープが開発したネコ用トイレ=11日、東京都港区

 シャープは、モノをインターネットにつなぐ「IoT」や人工知能(AI)の技術を使い、ネコの健康管理ができるトイレを開発した。尿の回数や量、トイレへの滞在時間などを計測し、飼い主に異変を伝える。シャープは今後、ペット用の商品開発に力を入れる。 

 ネコ用のトイレは、7月30日にシャープのインターネットサイトで発売する。本体は税別2万4800円で、毎月同300円の利用料がかかる。

 ネコは腎臓など、泌尿器系の病気にかかりやすい動物だ。トイレ内部にセンサーを付けて、尿の状況や体重などのデータを無線でネットに送る。ネット上のAIは、鳥取大学との共同研究で得られたデータをもとに解析。日々の計測値に加え、異常があればその情報も、飼い主のスマートフォンに伝える。

 長谷川祥典専務執行役員は11日の発表会で、「ペットはいまや家族の一員だ」と話した。同社が持つ技術が活用できる、ヘルスケア分野の商品開発を進める考えだ。

 すでにイヌの心拍数や呼吸数をセンサーで測り、リラックスしているか緊張しているかといった、自律神経のバランスを数値化する技術も開発した。センサーは前脚の付け根部分に装着する。まずは企業や研究者向けに売り出す。

 シャープはこうしたペット市場向けの事業で、2020年度には売上高100億円を目指す。

犬の散歩で活動量を知る端末も ペット関連商品が続々

 ペットを家族のように考える飼い主が増え、ペット関連市場は拡大傾向だ。IoTを利用した商品が次々に出ている。

 タカラトミーのウェアラブル端末「いぬのきもち お散歩Time」は、イヌの首に付けると、散歩によるイヌの活動量が把握できる。専門家の分析による適正な活動量に対し、散歩が十分か足りないかを教えてくれる。

 アクセスラインのイヌやネコ用自動給餌(きゅうじ)器「カリカリマシーンSP」は、スマホを使った遠隔操作で、自動でエサを与えられる。機器にはカメラも付いており、スマホで様子をみることも可能。仕事などで急に帰宅できなくなった場合でも安心だ。

 みずほ情報総研の豊田健志コンサルタントは「人間よりもペットの方が個人情報の観点でのデータ収集の許容範囲が広い」と指摘。IoTを使ったヘルスケア商品は、ペット向けサービスが人間向けより早く進化を遂げると予想する。

(岩沢志気)

朝日新聞
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